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女中奉公ひと筋に生きて:吉村きよ

女中奉公ひと筋に生きて:吉村きよ著のレビューです。

 

女中奉公ひと筋に生きて

女中奉公ひと筋に生きて

 

 

 

◆女中道!どんな仕事もこなす姿が心を打ちます

 

 


「女中がいた昭和」で昔の女中さんの概要がつかめたところで、
この本を読むと「そうそうそう」と頷ける場面が多く、

いよいよ実践に入ったな…という気がしてなかなか楽しかったです。

(って、自分は何もしてないんですけどね…)



吉村きよさんは3歳の頃父親を亡くし、

幼いころから子守りなどに出されていた。


お大尽の屋敷に年季奉公に出てから、ずっと女中一筋に生きる。

 

結婚もされましたが、夫が女性と駆け落ちしてしまい、

4人の息子を育てながら、50軒を超える家庭に勤めたという

プロ中のプロ。

 

…って、簡単に50軒って書いてしまいましたが…お茶碗の

置いてある場所ひとつ考えても50箇所覚えて行ったことになる。

やぁーお見事という言葉しか出ない。

 

さて、やはり体験談。生の現場の声、実際の会話などは

信憑性もあり興味深い。

 

何といってもお大尽の屋敷での女中話は面白かったです。
「女中がいた昭和」でも、そこのご主人に貞操…云々という

問題があったのですが、やはりその手の話が登場。

 

女中の仕事は家事全般はもちろん農作業などもありますが、

なんといっても旦那様のお世話は大変です。

背中を流したり、マッサージをしたりと、何人かいる女中を

日替わりでご指名するというシステム。(そこのお宅では)
やはり、若くて綺麗な子はお声がかかる頻度が高い。

 

風呂場では、足をつかまれたとか、股の上をつかまれたなど、

女中同士で屈託なく話している。

 

また、着替えをしているといつの間にか旦那様が覗いているなど、

今ならセクハラで捕まりそうなことが、大らかに語られたりしています。
(女中同士の会話は方言で、それがまたすごくいい味を出しています)

 

また、旦那さまがお妾さんの家へ行くのを承知で見送る奥さまや、
奉公先のご家庭で亡くなる人が出たりと、まさに人間ドラマが

その家庭の数だけ存在するわけで、それをそっと見守る立場にある

女中さんは精神的にも相当強くないと務まらないということが

分かります。

 

本書は大作家のお宅の奥様と会話していて、面白い体験を

されているということでいつかお手伝いさんの体験記を

お書きなさいという言葉がきっかけで、少しずつ
書き始めたというものだそうです。

 

仕事である以上、愚痴は禁物、一に我慢、二に辛抱と、ひたすら働く。

目が覚めるようなお言葉。分かっているけど、なかなかコレが難しい。