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お蝶夫人:瀬戸内晴美

お蝶夫人瀬戸内晴美著のレビューです。

お蝶夫人 (講談社文庫 せ 1-9)

お蝶夫人 (講談社文庫 せ 1-9)

 

 

 

◆終わってみればすべてを手に入れている感じに恐れ入る

 

 

オペラ歌手の三浦環

国際的なプリマドンナとして名を広めた女性ということで

興味を持ち読んでみることに。

 

瀬戸内さん曰く、岡本かの子と似ているということで

どんな破天荒な人生なのかとワクワクした気持ちで読み始める。

 

幼いころから天才肌であったこと、

男性達の目を惹く女性であったことなどから、

途中でお顔を拝見したくなり検索に走ったわけだが、

なるほど、かの子同様、絶世の美人というわけではない。

 

しかしながら、環に関わった男性たちは骨抜きされてしまうほど

彼女にぞっこんというより狂って行く感じが、魔性というものなのかな。

 

若くして結婚し、離婚し、再婚。

結婚はどれも自分が好きだからするといったものではなく、

その時期や状況でたまたま出会ったからといった感じでしている。

しかも、別居期間が長い関係もあったのが環にとって幸いしたのか、

好きなことに打ち込めるという結婚はいわば好都合であったとも言える。

 

その間、恋人を作っては都合が悪くなると夫の元へ戻ったりと、

はたからみると自由奔放な恋愛をしていたんだなぁ・・・と。

 

しかしながら、必ずしも男運が良いとは言えない相手。

特に最期まで環に執着した秀甫の想いは壮絶なものがあった。

 

また環55歳の時に恋人だった21歳の素夫との話からも、

たとえどんなに年が離れていても素夫がどんどん彼女に

ハマって行く様子が解る。21歳と55歳・・・。

と何度も数字を見返してしまいましたが、環はそんなことを

ものともず、

 

「三年でいいわ。あなたは若いんですもの、

     でも、三年だけ、わたしのものになって.......」

 

 

と、言ってのけるのです!

結局彼は、環が病に陥り、死ぬまで寄り添った。

 

環の人生には歌と恋が常にあった。

波乱万丈であったようにもみえるが、

総じて恵まれた人生だったのではないかと思う。

 

好きなことをやり続け、海外へも進出。

好きな人とは夫が居ようと、一緒に居る。

 

彼女から明治女性に見られる確固たる強さみたいなものを

感じることはなかったけれども、終わってみればすべてを

手に入れている感じに恐れ入る。

 

瀬戸内さんの作品を久しぶりに読みました。

「晴美」時代の作品は、実が詰まっていて読みごたえがあります。

しかも、読み易い!

このあたりの作品をちょっと掘り出して読みまくりたくなりました!

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

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