ルーマニア、遥かなる中世へ KanKanTrip 三尾章子著のレビューです。
ルーマニア、遥かなる中世へ (KanKanTrip) (Kan Kan Trip)
- 作者: 三尾章子
- 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
- 発売日: 2012/11/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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☞読書ポイント
ルーマニアと言えば…? 知らなかったら損をする!とてもステキな国。短時間でルーマニアへ行きたい気持ちが一気に高まる。
感想・内容
<<本が好き!の献本書評です>>
ルーマニアと言えば…、ナディア・コマネチ。
コマネチみたいな体の柔らかい女性たちが町の中を闊歩しているイメージがまず浮かんだ。どーです?この貧相な知識と想像力…。
そんな私の貧相な頭の中に、現在のちゃんとしたルーマニア情報を注がなければ…と神様がクリスマスプレゼントとして贈ってくださったのだろう。
こういう本を読むと、どっぷりその国に浸かってしまうわけですが、今回は「この国、誰と行こうかな?」なんてことをグルグル考えていました。
そして珍しく一人で行ってみたいなぁーと感じる何かがこの国にはありました。もちろん、誰かとワイワイする旅もいいのだけど、会話にならない何かを思い切り吸い込みたいという抽象的な欲求がムクムクと現れたのです。
それもこれも本書内の写真にある、深い森の緑の空気感や、今にも聞こえてきそうな峠を越える馬車の蹄の音や、古い教会のフレスコ画の圧倒的な雰囲気に飲み込まれてしまいたい…等々、誰かといたらきっとお喋りに夢中になりすぎて、間違いなく見逃して
しまいそうに思えたからです。
でも、やはり食事と汽車での移動時間に関しては、一人は淋しいし、なんと言ってもアレコレ種類が注文できないのは困る。なので、ここでタイミングよく知人が現れることが理想。
ルーマニア料理には派手さはなく、これと言って珍しい感じもしない。けど、スープ系は全般的に美味しそうだし、よく煮込んでいそうなものばかり。特にトマト味の煮込み料理「ママリガ」は絶対食べたいし、ひき肉団子の「ミティティ」も絶対!
そーしーてー、なんと言ってもやはり甘いもの。
「パパナシ」といったドーナッツをオープンエアのカフェで思い切り頬張りたい!
…と、ここで選挙演説並に声を荒げてしまいましたが、やはり旅=食が楽しみの中心になりますからね、しょうがないです。
さてさて、旅の宿は外資系の大きな箱のホテルではなく、ちょっとレトロな日本で言う、民宿のようなこぢんまりした所の方が雰囲気も含め、ゆっくり出来そうです。
とにかくこの国は建物自体どれも歴史があり素敵なものばかりです。
中に入るいいチャンスと思って、是非泊ってみたいものです。
★最後に、私が行きたい場所ベスト3★
1、サプンツァ村の「陽気なお墓」
お墓なんて…と思うでしょうけど、原色で彩色された木の墓標がずらりと並んでいて、そこには酒を持っている人、キッチンに立っている人、車にはねられている人など、ユーモラスに絵が描かれているというお墓なんだそうです。お墓とは思えないキュートさがあり、本物も見てみたいと思ったもののひとつ。
2、旧市街で開かれている骨董市
骨董市、蚤の市はどこへ行っても見逃せません。本物か偽物か…ということより、「自分のお気に入りの一つ」に出会うのが楽しい。ここも写真で見る限りお店もたくさん出ていてとても雰囲気が良い。
3、ガレタイプのガラス工房
ガレタイプっていうのが面白い。アールヌーヴォーのガレの作品は何かと目を留めてしまう私。見たらたとえ「ガレタイプ」であっても欲しくなっちゃうだろうな…。
以上、ベスト3を挙げてみました。
ということで、見事にこの1冊でコマネチから脱出出来ました。コマネチ以外のたくさんのステキなものを探しに、いつかこの本を持って本場の空気を吸いルーマニアを満喫したいです。