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【レビュー・感想・内容】大江戸庶民のあっと驚く生活考:渡辺信一郎

 

 

大江戸庶民のあっと驚く生活考:渡辺信一郎著のレビューです。

大江戸庶民のあっと驚く生活考―意外な風俗、しきたり、信仰心がわかる本

大江戸庶民のあっと驚く生活考―意外な風俗、しきたり、信仰心がわかる本

 

 

感想・内容 作者の努力あっての江戸本は、やはり充実度が違う!

 

様々な方が江戸関係の考察をされていますが、やはりこの先生の本が一番私には読みやすいというのと、「川柳」から、江戸時代の生活を読み説いていくという形式で毎度紹介されていくので、より密着度が高く感じるんです。

 

驚いたのは、この川柳、公刊本にしても売れ行きが芳しくなく、25万句のうちたったの10%くらいしか活字化されていないらしい。その25万句を集め、書き抜き、カードにし、読みとおしたという著者。だからこそ、こんなに細かい庶民の生活を紹介できているわけです。いやー本当に貴重なものなんですよね。

 

こういう本は流行ると色々な方が出版されますが、内容は似たり寄ったりで数冊読むと「あーもう知ってる、知ってる」…と飽きてしまうものですが、渡辺先生が書いている内容は、バラエティ豊かで、毎度違う発見があるので期待を裏切りません。

 

と、絶賛したところで、大きな括りとして江戸時代の生活を知るのにとても楽しい1冊です。これきっかけで、トイレ、湯屋など詳しく読んで行くのもいいのかもしれません。

 

 

 

 

今回の面白かった話は

・お産婆さんが臍の緒を何で切ったか…
・行灯の微細の穴
・抱き枕のような竹夫人
・池袋女の祟り

…等々、へぇーへぇーと今回も夢中になってしまいました。

 

渡辺氏、この本の目的は「えせ情報を排して江戸の真実を描くこと」だそうだ。もう一歩踏み込んだ江戸時代を知りたい方には、この本に限らず渡辺氏の本をおすすめいたします。

 

渡辺信一郎について

江戸庶民文化研究者、古川柳研究者。1934年東京生まれ。早稲田大学卒。元都立深沢高校校長。蕣露庵主人の筆名もある。2004年没(Amazonより)