大阪のおばちゃんコレクション:前垣和義著のレビューです。
以前「図書新聞」に掲載していただいた書評になります。
◆がおーー!
ヒョウ柄ファッション、ひったくり防止カバーまで大阪のおばちゃん考察!
大阪のおばちゃんと言えば「ヒョウ柄」と、お約束の話題からはじまります。
実際、大阪に住んでいるわけではないので、本当のところは判らないのだが、
とにかくトップスの「ヒョウ柄」だけでも、ものすごいバリエーションが
あるじゃないですか。
バーンと、トラやヒョウの顔が前面に描かれたものから、
どこにヒョウがいるのか判りにくい「だまし絵」的なものまで、
よくぞ作ったものだと驚きが大きい。
なんでも年齢とともに、派手、頭数が増える傾向があるとかないとか・・・。
洋服だけじゃなく、小物や、自転車のひったくり防止カバーにいたるまで
「ヒョウ柄」という徹底ぶり。恐るべし!
・・・というか、ひったくり防止カバーって初めて知った!
ファッションはヒョウ柄系もいれば、カラフル系、シック系、フラワー系と
他にもあるわけですが、なんてたってヒョウ柄系は取り上げている
ページ数からも圧倒的な存在感があるわけで・・・。
ファッション同様、次はヘアスタイルと続くのですが(パーマの話もすごい。
つまようじ使うって本当?)私が注目したのはその次の
「美しいおばちゃん言葉」です。
・「がーっと行って カッと曲がった角から2軒目」
いや~これ、すごくわかりやすい(笑) カッと直角に曲がってしまいそう!
・「もうちょっとシュッとした服ないのん?」
洗練されてたり、垢ぬけている様子に使われるらしいけど、
これもなんかすごく伝わるものがありますね。
オノマトペを自在に使いこなす大阪のおばちゃん、リスペクト!
関西弁の「ありがとう」は心から言っている感じがあって、
個人的にものすごく好き。関西出身の友達がどんな小さな場面でも
「ありがとう」と自然に言う姿をよく見かけます。
関東人より「ありがとう」を発することが多いから、一緒にいると
私もつられて言う回数が増えるし、イントネーションも変わる(笑)
本書でも「魔法の言葉」と言われているぐらい、やはり聞いていて
気持ちいいですよね。
他にもおばちゃんの行動や、お悩み相談室、大阪のおばちゃん度
チェックなど、遊び心満載の内容です。
中川家の兄弟の考察もとても楽しい!
ところで、大阪のおばちゃんって年齢いくつくらいから?という
素朴な疑問を持っていた私。
大阪のおばちゃん予備軍さんたちの座談会によると、
息子が30歳すぎたくらい、60代後半ってイメージらしい。
ただし、見た目と行動の二方向、行動が先におばちゃん化する
症状が出るらしい(笑)
意外に年齢は高めだったけど、行動のおばちゃん化は若くても
・・・ってことですな。
いやぁ、、、なんだか大阪のおばちゃんたちは、引き出しが多すぎて
まだまだ知らないことがたくさんあるんだろうな~と、ますます興味を
持ってしまった次第です。