書店員あるある :書店員あるある研究会著のレビューです。
意外にも静かに事件が起きている?書店員さんは大変だ!
本屋さんの風景はどこも大差ないと思っていたのですが、この本を読むと静かに事件が起こっている所というか、意外にも理不尽なお客さんだらけの地だということが分かる。
平積みの下の方から本を取り出して持って行くという行為は誰もがしたことがありそうですが、これがエスカレートしたと思われる「美本フェチ」という人々の行動に驚かされる。
「縛っていたひもの跡がついている」だの「あっちゃんの顔、印刷の発色が悪い」など肉眼では判別できないクレームを言って取り替えを要求してくるとか。
まぁ、ここまでとは言わないけど、立ち読みしていた本に顔を本に埋めて「ハークション」とくしゃみをするおじさんとか、指をなめてからページをめくる…などを聞いてしまうと、なんとなく下から本を取ろうと思ってしまうのであった。
「お客さまあるある」「書店員あるある」を、芸人の「いつもここから」のイラストで紹介。また、「書店の世界」といった形で、流通のしくみや店長の一日も簡潔に説明されています。
色々面白いネタがあったのですが、気になったのは、あまった付録は書店員が持ち帰るですかね。雑誌本体は返本できるそうですが…。私はてっきり、まるごと返本だと思っていたのですが、これは意外でした。
そしてなんといっても、一番仰天したのは万引き被害総額です。
幾らくらいを想像しますか?
本は1冊盗まれると、その分を回収するのに20冊も売らなければならいそうです。書店がこれらの被害をかぶっているというから悲惨です。これ以上書店を潰さない意味でも、どうにか対策が欲しいところですよね。
私にとっては癒しの場所だけど、その裏では結構ドタバタ劇が展開されているのだなぁ…。
※被害総額は全国で約192億。
(記述はなかったですが恐らく年間総額でしょう)