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老人の取扱説明書:平松類

老人の取扱説明書:平松類著のレビューです。

老人の取扱説明書 (SB新書)

老人の取扱説明書 (SB新書)

 

 

 

◆お年寄りの不可解な行動には大抵原因がある。

            そこが解れば少しは優しくなれる・・・はず。

 

 

身近に高齢者がいる方は、
「昔はこんなじゃなかったのになぁ。年を取ったら変わった、変わって来たなぁー」
と思える発見って結構あると思うのです。

かくいう私も親が何度も同じ話を繰り返す、しかも最近のことより昔の思い出話を
しているときの方が明らかにすらすらと話しているのをちょっと不思議に感じていた。
そして何度も聞かされている苛立ちから、「それ、何度も聞いたから」と
ついつい言ってしまったりする。

毎回繰り返されるこの場面。最近では何度も話していることを分かったうえで
また話しているという確信犯的な親、それをどう回避しようかと身構える娘。
......という構図が出来上がっている。どうにかならいものかと思っていたところに
この本の新聞広告が目に入り、これはと思い読んでみた。

なんでも、
・長期的な記憶は残りやすく、短期的な記憶は残りにくい。
・繰り返したこと、体を動かしたことも記憶が続きやすい。
・昔のことはよいことが、最近のことは悪いことが頭に残りやすい。
 これが過去の美化につながっている。

ということだそう。確かに最近の話は愚痴めいていることが多いけど、
過去の話はそうでもなかったりする。

で、本書は、私のように「それ、聞いたよ」とつい言ってしまいがちの人が
実際どう対応すればよいのかも記載。

さらに自分がそういった状態にならないために今からできる予防のような
アドバイスも記載されています。

また、脳だけではなく様々な器官の機能が低下してゆく人間の体。
とても参考になったのは「耳」の機能について。

姑が夫の声は聞こえて嫁の声は聞こえないふりをするといった状況、
知らないとこんな誤解が生まれることもあるという切り口で始まる。

実はすべての音声が聞こえにくくなるわけではなく、
高い音声、特に女性の声が聞こえにくくなるそうだ。

なので、むやみやたらに大声で話せばいいというのではなく、
声を低くして口の動きがわかるように正面から話すことが大事だそうだ。

老人の困った行動、いじわる、迷惑などの章から「老化の正体」が
少しずつ見えて来ます。

「こうだから、こうなる」というものを解りやすく解説されていて読み易かったです。
身近なお年寄りの不可解な行動には大抵原因があるということが解れば、
気をもむことも少なくなるはずだ。
本書を読むとそんな不安や苛立ち、みんな年を取ればそうなるものなんだと
気持ちが少し楽になる。

最後に、
「あれ」「これ」「それ」が異様に多くて説明が解りにくいという現象。
すでに自分も身に覚えがある。

予防策は、

・読書する
・文章を書く
・複雑な仕事をする

少なくとも本を読み、書評を書く行為を続けていけば、
いろんな意味で脳が鍛えられていくはずだとニヤリとする。

読書、書くは認知症の予防になるとあちこちから聞いている。
筋トレはハードルが高いけど、読書のトレーニングは苦にならない、
とういうか大好物なわけだから一石二鳥!
この趣味は簡単に止めてはならないぞ!と自分に言い聞かせたのであった。