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パンツが見える。―羞恥心の現代史:井上章一

パンツが見える。―羞恥心の現代史:井上章一著のレビューです。

パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書)

パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書)

 

 

 

◆履く?履かない? あらゆる角度から女性とズロースの関わりを考察

 

 

先日、ちょっと立ち寄った古本屋さんが「今後、通うこと決定!」

というくらい素晴らしいお店で、そこで、なんとこの本を発見!

他に読む本があるにも関わらず、表紙を隠しながら、
電車の中でコソコソ読みはじめてしまいました。

 

まず、こんなにも装丁デザインと内容のギャップがある本というのは
珍しい…ということを、すぐ感じると思います。

 

タイトルからちょっと想像がつかないと思うのですが、

この本はズロースの歴史にとどまらず、立派な女性史とも言え、
情報量もかなりのものです。

 

とにかく、女性とズロースにまつわる考察を、掘り下げられるだけ
掘り下げて、根気強く調べ上げているなぁ…と感心。

 

まぁ、少しくどいと感じる部分もありますが、私はこういう

オタクとも言える研究っぷりは嫌いでないので楽しめました。

 

白木屋百貨店の火災で、パンツを履いていなかったばかりに命を
落とした女性がいた。それ以降、女性はパンツを履くようになった。
白木屋ズロース伝説)

 

この話、一度は耳にされたと思うのですが、作者はこれに疑問を持ち、
様々な人の話や、小説などを頼りに、真相を探っていくのです。

 

身体のためにも、身の安全のためにも、とっとと履いてしまえば良いものをと
勝手に思ってましたが、ズローズを履くまで、それはそれは長い時間がかかり、
履かない様々な理由があるということを、私達は知ることになります。

 

履かなかったことが普通だった時代から、履く時代への移り変わりなども
注目すべき点でした。

 

ほんの一例ですが、強烈に印象に残ったのはこの話。

百貨店にはノーズロの女性がたくさん訪れます。
そのことによって、百貨店の床には「恥毛」がたくさん落下し、
その毛たるもの1日約5万本もあったと言う。

 

この証言、すっごく生々しいけど、

履いていなかったという様子が実感として持てる。

 

集まった毛は「千人針より効く」と言われ、護符にもなるということで
求める者まで居た…など、話がどんどん広がって行きます。

 

こんな感じで、ズロースに関することは、どんどん切りこんで
行くので、読書後はこの分野に詳しい人になれた気がする…という、
勘違いも味わえます。

 

最後に、この時代の小説を読む機会が今後もあると思うのですが、
こういう社会現象をしっかりおさえておくと、より一層
深く作品に入り込めるんじゃないかな~と。

満足満足の1冊でした。

 

 

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