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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】しあわせのねだん: 角田光代

 

 

しあわせのねだん: 角田光代著のレビューです。

しあわせのねだん(新潮文庫)

しあわせのねだん(新潮文庫)

 

 

お財布の中身はいくら入っていると安心?

 

「値段」って漢字表記だったら、もっと現実的なことをイメージしたかもしれませんが「ねだん」平仮名表記だと、なんかほのぼのしますねぇ。

 

財布の中身、つまり所持金はいくらくらい持っていると安心ですか?
私はカード払いが嫌いだから、現金派。だからと言ってそんな所持金を多く持つことはない。

 

角田さんの友人曰く、特別に何か買う目的のない普通の日の所持金は…年齢を四捨五入した数×1000 つまり27歳なら3万。21歳なら2万ってことらしい。

 

へぇ~~。そうなのか…。
そう言えば、周りの人達がいつも幾らくらい持っているのか聞いたことないな…。「1万円もある」「1万円しかない」という考えの違いなど、本当にお金に対する感覚って十人十色ですよね。

 

 

 

そんな日常の様々な「ねだん」にまつわる角田さん流のエッセイ。クリスマス後物欲35000円、想像力1000円等など、一体なんのことだろうと言うものまである。

 

また、母娘の旅行「記憶9800円×2」
この話、女性だったらこんな経験おそらくあると思う。ホロリと来るんだなぁ。

 

男値段、女値段なんていうのも、角田さんならでは面白い視点だなぁーとひたすら感心しました。

 

ところで、ここに出て来た小林製薬の「イララック1500円」イライラを抑える薬、まさか本当にあるとは思わなかった。さすが、小林製薬。このネーミングにも脱帽!この薬の登場する角田さんの怒り話、読んでいる私もイライラが感染。

 

2005年に出版された本ですが、いつ読んでも面白いエッセイだと思います。
ちょっと一息にはもってこいの1冊でした。