うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

書店ほどたのしい商売はない :上村卓夫

書店ほどたのしい商売はない :上村卓夫著のレビューです。

 

書店ほどたのしい商売はない

書店ほどたのしい商売はない

 

 

 

◆ザ・書店! こだわり持つ仕事ぶりは職人肌だった

 

 

いつもお世話になっている本屋さん。
大型書店も町の本屋さんも、なくてはならない存在ですが、
どこでも売っている本は極力、地元の本屋さんで買うように
してきましたが、この本を読んでさらに、中小の本屋さんに
エールを送りたくなりました。

 

「書原」という書店をご存じでしょうか?

 

都内で書店に詳しい人々の間では、個性的な書店として
結構有名だと思います。

 

私も数店舗訪れたことがありますが、一見普通の書店に見えるのですが、
一歩中に入ると、他の本屋にないバリエ―ション、圧倒的な量に
妙なドキドキ感が生まれ、店内を何周もしてしまうはめになる
という…ちょっとこだわりのあるこの書店。

 

そんな書店の社長・上村卓夫氏(現在は息子さんが社長)と
出版業界の人とのインタビュー形式で話は進みます。

 

他の書店で売れなかった「小価格の小冊子」が何故か書原では
売れている…そんな話が業界内で話題になり、こういう地味な本に眼をつけ
売る秘訣は一体何か?ということが発端でインタビューが行われたこの1冊。

 

「書店業は農業だ」と紀伊國屋書店の会長の言葉に賛同する上村氏。

書店にとって常備は「土」、新刊全体は「種」や「苗」
商品構成は「水」に当たり、補充発注は「肥料」、店に合わない本は
「雑草」、返品作業は「害虫駆除」
サバサバした口調で、発想をこんな調子で広げて行く。

 

また、売上スリップ(会計時に書店員が外すしおり)から、
「この本とこの本は同じ人が買っていったはずだ」と読者層を分析する様は、
まるで探偵のような鋭さがある。POSのシステムに頼らず、地道に手作業。
まさに職人を感じさせられます。

 

図書カードの不公平性、本の配置・平台の工夫、追加注文や返品
そして人材育成に至るまで、書店に関する情報が盛りだくさんです。

 

この本のタイトルに「たのしい商売」とありますが、こう言えるのは
上村氏が積み上げて来た歴史と深い知識があるからこそであり、
私には、たのしいというより、大変だなぁという印象が残った。
あることを極めた人だからこそ見える楽しさがきっとあるのでしょう。

 

毎日本と向き合える環境にも、憧れがあったが、
憧れは憧れのままが良さそうだ。

 

とはいえ、よく行く場所だからこそ、こういった話はとても
参考になるし、また違った視点で書店を楽しめることに
なった。そんな貴重な話はありがたいものであった。

 

書店員は本好き、好奇心、向上心、順応性、客観性、記憶力、決断力、
他に職人意識、を持てば年齢は関係なく、若くても重責を
こなせるはずだそうですよ。