ペコセトラプラス: 渡辺ペコ著のレビューです。
本が好き!の献本書評
◆女の一生で変化する部分はたくさんあるけれど、
「ひとはだ」でそれを表現。お見事!
漫画ってそうだ、そうだ、展開が早い分、自分の感情の切り替えが
結構ハード! 入り込むのも早いけど、次の作品を読むときには
すっかり気持ちが入れ替わっていたりする。
小説を読むときと随分テンポが違うものだ。
そんなことを考えながら、なかなか次の作品に気持ちが
切り替えられなかったのが「ひとはだ」という話。
もし女の一生を表現しようと思ったら、
自分のどの部分でその変化を表現するか?
顔、からだ、環境、家族を通して…etc.
変化するものはたくさんあるけど、著者はそれを
「ひとはだ」で表現しているのです。
「ひとはだ」の変化って?
ん~これが実に奥深いのです。
最初はちょっとエロい話なのかしら?なんて思っていたのですが、
ラスト1ページで思わずうなってしまった。
…と、同時に、じんわり胸にくるものがある。
この作品のすごいところは、女の一生を6ページで描いていること。
たった6ページなのに、人生をまっとうしたような気分になる。
そして、この作品は小説のような流れではあったけど、
漫画じゃなきゃ描けない世界なんだと。
とても印象深い話でした。
11編からなる短編は、
どれも少し痛かったり、切なかったり、甘酸っぱかったり。
全体的に透明感ある雰囲気で、サラサ~ラと読めてしまい
あっという間に読み切ってしまいそうだったので、
後半はもったいないのでチビチビ読みました。
うん、なかなかいい話が多かったです!