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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】一円大王:谷口英久

 

 

一円大王:谷口英久著のレビューです。

一円大王

一円大王

 

 

 

◆「一円分だけ売ってもらえませんか?」という試み

 

 

こちらの本は、MXTV「5時に夢中!」という番組内

「珍本鑑定団」というコーナー(現在は終了)で紹介されていて、

思わず「もぅー馬鹿だなぁ…」と笑ってしまった1冊。

 

「すみません、これを1円分だけ売ってくれませんか?」


と、作者は様々な店でこのような問いかけをし、

物を買うという実験を試みる。ざっとどんなものかというと…

 

 

 

・床屋で1円分のカット
・1グラム1円のレストランで1円分の食事をする
・1円分の靴磨き
・外国人娼婦に1円玉で何を買う?
・托鉢修行僧から1円分のありがたい言葉をいただく
・1円分の眉毛カット
・サラ金で1円借金契約
・かつら会社で一本1円の植毛

 

等々、まだまだ書ききれないほど、色々チャレンジしている。
中には、相手にされないものもあるのだけど、上手くいったものに関しては
きっちり、領収書をもらい証拠として写真掲載がされています。

 

「マユ毛1本」と書かれた領収書は滑稽なのですが、

それまでのやり取りなどを考慮するとなかなか感慨深いものになる。

 

本書を読んで感じたのは、1円はお金だけど、1円だけ使うことが

いかに難しいことか。
「1円分ください」とお願いした時、人はどう反応するのか?

 

ジョークとして一緒に楽しんでくれる人もいれば、

気持ち悪がり相手にしない人も出て来る。

確かにそんなこと言われたら「ん?」と警戒してしまうのが

普通かもしれません。

そんな普段出会えない状況を観察するのにこの本はとても参考になる。

 

はじめは、この実験で「1円で何が買えるのか」に

興味を持っていたのですけど、最後の方になると人間性を

観察するという視点に変わっていた。

 

そして、もしこんな状況になったら、一緒に楽しんでしまう

余裕ぐらいは心の中に持っていたいものだと感じました。

 

谷中のお米屋さんはそんな余裕を感じさせられたひとつ。
「これじゃ領収書代にもならないよ」と言いながら

タイ米5グラム売っている。とても良い話でした。


~一円大王の3つのお約束~
①1円でものを買う
②知り合いの店では買わない
③領収書をもらう
以上3つを守りながら、実験実行。