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山妣(やまはは):坂東真砂子

山妣(やまはは):坂東真砂子著のレビューです。

山妣(やまはは)

山妣(やまはは)

 

 

 

◆色々ありすぎてもはやどこをどう切り取ればいいのか.....

 

 

こちら文庫だと上下巻セットのようですが、私は単行本で読みました。2段組み500頁近く、この世界に浸るには申し分ないボリュームです。

きっかけはある方のTwitterでの呟き。そこからなにか物凄い世界があるような匂いがプンプンと漂ってきた。そして私も読み終わってこの作品について出てくる言葉は「すごかった」という言葉。とにかくいつ本を開いても必ず「ひっ」と声が漏れそうなほどいろんな場面で驚かされっぱなしだった。

舞台は明治初期の雪深い越後の明夜村。ここで繰り広げられる人間模様に加え、芝居、マタギ、クマ、山神、遊郭、炭鉱、同性愛、近親愛、親子愛、純愛、ふたなり、出産、殺人、そして、山妣の存在と、ありとあらゆる角度からビュンビュン話が飛んできては展開されていく。

複雑な人間関係ではあったものの、その根底にあるものは愛情。しかしその愛が憎しみに変化し一人一人の運命を大きく変えてしまうという切ない話でもあった。

読んでいる時は一体なにがどうなっているのか分からず戸惑うし、加えて山の中の生活やら、クマ―の乱入など、おぞましい光景を目にしたりと、もう本当にいろいろあり過ぎる。ホラーでもファンタジーでもないけれど、ものすごく怖いと感じるし、不思議だと感じる場面も多い。個人的には遊郭あたりの話はなかなか面白く読んでいたが、あとは辛いし怖いし先が読めない・・・とジタバタしていた。

さて表題の山妣とは一体?彼女の過去には辛く悲しい出来事があったわけだが・・・・。後半に行くほど、すべてが繋がって行き、そのたびに驚かされる事実の連続です。

色々ありすぎてもはやどこをどう切り取ればいいのか分からないほどです。....ということでかなり巻き巻きでの感想ですが大作でした。雪に閉ざされ陰鬱な雰囲気がずっと続いていただけに気持ち的に沈みましたが、ずっしり読み応えがあり濃厚感抜群です。

この村へこれから向かおうと思っている方。かなりの長旅で体力と精神力がいるのでお気をつけください。読み始めたら抜けられませんから(笑)