ももこの70年代手帖:さくらももこ著のレビューです。
「リンリン、ランラン」「ランラン、カンカン」この違いが判るかな?
図書館の追悼コーナーで手に取った一冊です。
西城秀樹さん、樹木希林さん、津川雅彦さん、菅井きんさん、そして、さくらももこさん。パッと思い浮かんだ今年亡くなった方々を書き連ねてみた。
私が子供の時にTVの楽しさを教えてくださった人々。
そしてそんな娯楽番組ももはや遠い昔のものになった。
おっとり性格のミルコさんと鋭いツッコミを入れるももこさん。
会話形式で70年代のあれこれを語り合う。
各章にはそれぞれのテーマがあり、テンポよく楽しい話題が登場する。
まるでラジオ番組を視聴しているかのような気分だ。
モーラー、スライム、インベーダー、キツネのマフラー、兼高かおる世界の旅、グローイング・アップ、うしろから前から、ケンちゃんシリーズ、パンチDEデート、プロポーズ大作戦、アップダウンクイズ 等々・・・・・
「うひゃーあった、あった!」っていう商品名や番組名が次々と出てくるたびに、当時の主題歌だったり時間帯だったりが頭の中を駆け抜けていく。
兼高さんの番組で外国の旅を知り、プロポーズ大作戦でお姉さんやお兄さんたちを観察しながらモテる人、モテない人の違いという厳しい現実がうっすら解かり始め、アップダウンクイズでは、ゴンドラが上がって行く様にドキドキしたものだ。確か優勝した人はCAさんが階段上って迎えに来てもらえたんだよねぇ。提供はロート製薬。激しく鳩が舞うシーンが鮮明に思い出されます(笑)
なーんて、めくるめく場面のあれこれを思い出し、当時は随分と番組にのめり込んでいたなぁ~としみじみ思う。
あのこ頃は、どの番組も泥臭く、セットなんかもちゃっちいのだけれども画面の向こうの「お茶の間」と「番組」が一続きなっている気配があり、家族の笑い声があった。それはまさに「ちびまる子ちゃん的お茶の間」の雰囲気そのものなのです。
さくらさんと一緒に子供時代を語り合ったかのような1冊。
新しいものに紛れてどんどん遠ざかってしまう過去のあれこれ。たまにこういう本を読んで無邪気な自分を取り戻すのもいいものです。
「リンリン、ランラン」「ランラン、カンカン」この違いが判る人は、より楽しく読めると思いますよ!
.....そして、さくらももこさん、ありがとう。