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噴煙姉妹: 名梁和泉

噴煙姉妹: 名梁和泉著のレビューです。

噴煙姉妹

噴煙姉妹

 

 

(本が好き!の献本書評です)

 

 

◆決して心を揺らしてはいけないのです。だって噴火してしまうんですもの....

 

 

「やーめちゃくちゃ楽しかった!!楽しすぎてあっという間だったわ」
...という声が聞こえて来そうに思えた小説。これ私の声ではないのです。本書を一番楽しんだのは間違いなく作者でしょうね(笑)

 

設定がハチャメチャだったのと、この何とも言えない雰囲気を持つ装丁画に負けた。どうなることやらと不安と期待を胸に思い切って献本に応募しました。

だってねぇ、「姉口」「妹口」ってふたつの噴火口があるという活火山は、姉妹の心が揺れると噴火するんですよ!?どんだけ馬鹿げた設定なんでしょ。でもきっと凡人には理解し難いぶっ飛んだ世界があるはず。....と読み始めたわけですが....。

 

舞台は火山島を望む温泉町・根倶。ここにある老舗旅館に婿入りした鵜乃吉。妻は超美人の亜津子。しかし、鵜乃吉は兵役を逃れるため、亜津子は恋愛感情もなく結婚したという訳の分からない夫婦。そして亜津子の妹・真耶子。彼女も超美人なのです。そう、これがこの町で有名な美人姉妹、別名・噴煙姉妹なのです。

 

この姉妹、決して心を揺らしてはいけないのです。だって噴火してしまうんですもの。だから誰のことも愛してはいけないという悲しい宿命を背負っているのです。  

 

って.....(笑)

 

話は妹の真耶子がこの街に帰って来ることからはじまるわけだが、大半はドタバタ劇に終始する。探偵やらテロリストやらホラーやらミステリーやら歴史、恋愛まで、ごちゃごちゃと投入され、その間にドッカンドッカンと噴火!気持ち的にはコミックを読んでいる感覚です。

 

真面目に読めば読むほど内容が分からなくなるシステムなのか?途中からもう解らなくてもいいや!って思ってしまったほど。そしてなにより感じるのは、作者がめちゃくちゃ楽しんで書いているのではないかと。もう後ろを振り向くことなく突っ走った感じが迸ります。だからね、もう、作者が楽しければそれでいいのよと言う聖母のような気持ちでラストへ向かうのでした。

 

最終的にはこの姉妹が持って生まれた宿命に抗うことが出来るのか?この夫婦と妹はどうなるのか?と言ったことが解かればOK!なんですよね。そこに行き着くまでのドタバタに耐えられるかという精神力をも試される一冊。兵役とか時代背景が古いわりに、登場人物たちの会話はめちゃくちゃ現代、軽い!このあたりのツッコミどころは、もはやどうでもよくなる脱力感、疲労感はお察しください(笑)