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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】歩く:ルイス・サッカー

 

 

歩く:ルイス・サッカー著のレビューです。 

歩く

歩く

 

 

 

あの「穴」の続編もやっぱり面白い!

 

「穴」がとても面白かったので、その続編と言うことでこちらにも
手が伸びました。

 

「穴」で登場したアームピットとX・レイという青年たちが主人公というだけで「穴」を読まなくてもこれはこれで独立した話として楽しめる。

 

この二人はグリーン・レイク・キャンプで「穴」を掘っていた二人。出所したふたりのその後が描かれる。アームピットは造園のバイトをしながら高校に通い、お金をコツコツと貯める毎日を過ごしている。

 

そこへX・レイが、なにやら怪しい儲け話にアームピットを誘う。断ったものの人の良いアームピットは最終的には話に乗ってしまう。そこからはじまる物語は、めくるめく世界へと広がってゆく。

 

やがてあるアイドル歌手とアームピッドが出会い、恋に落ちるという急展開。読者を惹きつける内容へと切り替わる。ん~巧みです!

 

一見、はちゃめちゃな展開とも思えるのだけど、ルイスサッカーの作品の魅力はやはり登場人物たちのどこか憎めないキャラクターと、その関係性の温かさにある。特に今回はアームピットの隣人、脳性麻痺のジニーとの関係は、曇りがいっさいない純粋であったかいものを私たちに運んでくる。

 

そして孤独なアイドル歌手と一般市民のアームピットとの関係性から見える格差をとっぱらった純粋な恋愛模様も初々しい。

 

お金や大人たちの思惑がたくさん渦巻く中、ハラハラドキドキさせられながら、それでも突き進んでいく姿に魅せられました。

 

個人的にはロングスティしていたテキサス州ということもあり、出てくる地名から懐かしい風景が浮かびとても楽しい時間でした。

 

大人の世界と子供の世界が微妙に交錯するルイス・サッカーの作品。
児童書という括りらしいですが、大人も読むべき素晴らしい作品だと思います。

 

 

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