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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

高野聖 (現代語訳名作シリーズ) : 泉鏡花

 高野聖 (現代語訳名作シリーズ) : 泉鏡花著のレビューです。

高野聖 (現代語訳名作シリーズ)

高野聖 (現代語訳名作シリーズ)

 

 

◆山で出会う美しい女にはお気をつけあそばせ

 

 

泉鏡花は読みたいけど難しいといったイメージがいまだ拭いきれていない。
婦系図」で挫折、ビギナーズクラシックでなんとか読めたという過去がある。
高野聖」もずっと気になっていたのですが、なかなか手を出せないジレンマ。
そこにきて今回児童書コーナーにあったこの本を発見!
これならと救われた思いで飛びつきました!

 

いやーほんと、読めて良かったというのが第一の感想。
幻想的でちょっとエロティック、背筋がひんやりするゾクッとする
怖さも兼ね備え面白かったなぁ。

 

話は汽車で出会った旅する修行僧がわたしにしてくれた、
飛騨の奥深い山中での奇妙で怖い体験話で、ちょっとした
怪談を聞く雰囲気で話が進みます。

 

僧は参道に入る前に会った富山の薬売りを追いかけるかたちで
山へ入るのですが、不思議なことにいつまで経っても薬売りに
追いつけません。山道は蛇やヒルなどが出る薄気味の悪いところ。
早く抜け出したいと道を急いだ先にようやく馬の鳴き声が聞こえる
一軒の家が。

 

そこには美しい女と奇妙な男が住んでいました。
この美しく艶めかしい女性の登場により、
物語にどんどん霧がかかってゆくような世界へと変化。

 

旅で疲れた僧侶はこの女に導かれ谷川で水浴びをすることに。
そこで僧侶は女に誘惑されるのですが、なんとか留まります。

 

一晩奇妙な雰囲気の家に泊めてもらった僧侶は翌日
旅を再開させますが・・・。

 

後半はとにかく種明かし的にいろいろなことが判明する。
どれもこれもゾクゾクすることばかり。
山で出会う美しい女はつくづく怖いと感じる。
そして、そこに住む生き物たちまでも・・・。

 

しかし泉鏡花が描く世界は怖い話であっても
幻想的でどこか美しく静謐な空気を感じさせてくれる。

 

なるほど、今でも読み継がれている名作というものは、
そのあたりが違うのだなぁと感じずにはいられない。

 

本作は泉鏡花が27歳の時に書いたものだそう。
芥川龍之介が「天才」と言ったのにも大きく頷ける。

 

なにはともあれ原文に尻込みしていた私にとっては
ありがたい1冊であり、読めて本当に良かった。
解説も泉鏡花の人柄が滲み出るような内容で面白かったです。

 

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com