ダンス・ウィズ・ドラゴン:村山由佳著のレビューです。
◆夜にしか開かない公園内の不思議な図書館で…
この装丁からして、官能系かな?と思ったのですが、
またまた、村山さん、新しい世界を開拓し始めたの?と
感じさせられた小説でした。
「地獄だっていい。ふたりでいられるなら、地獄でいいの」
愛する人の顔を見るたびに甦る、濃密な哀しみ。
でも、離れてはいられなかった――。
紹介文には、このようなことが書かれていましたが、
ん~~、ちょっと大袈裟ですよ。
これでは、渡辺淳一さんじゃん…と、ブツブツ言いたくなってしまう。
舞台は井の頭公園。夜にしか開かない図書館がある。
昼間はどんなに行きたいと望んでも、辿りつけないという不思議な図書館。
図書館内も、常に本は移動する存在。たくさんの蔵書があるにも関わらず
仕分けする意味もない…利用者が本当に探している本であれば、自然に
手元に本が現れるという。
ファンタジーな設定。本好きゆえに、図書館の話となれば
どーしても、前のめりで読んでしまう。
けど、途中からどうもこの不思議な図書館の話が
メインではないことに気付く。
ここで働く一人の男性と、もう随分と会っていない
血の繋がってない妹がこの図書館で再会する。
「龍」を祀る旧家に育った二人の過去、哀しい思い出、前世…。
正直、私はこの兄妹のことより、謎の図書館のことが気になって
どこかで色々なことが明らかになるのかと、期待しながら読み進めて
いたんですけど…
気が付いたら、終わっていました。あーーなんか消化不良起こしそう!
せっかく、面白い設定なのに…焦点がぼやけてる感じが残る。
情景など本当に素敵に描かれているだけに、あともう一歩…と
勝手に求めてしまいます。
色々な表情を見せる村山さんの作品とチャレンジ精神は凄いです。
けど到達点に迷いが見え隠れしてるのを感じるんです。
それでも、読ませる何かがある。
次はどんな?という話題性もある。だから、目が離せなくなるのです。
そして、ブツブツ言いつつも、一気読みの寝不足という私がいつも居る。
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