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肺都(アイアマンガー三部作3):エドワード・ケアリー

肺都(アイアマンガー三部作3):エドワード・ケアリー著のレビューです。

肺都(アイアマンガー三部作3) (アイアマンガー三部作 3)

肺都(アイアマンガー三部作3) (アイアマンガー三部作 3)

 

 

 

◆アイアマンガーから夢の島

 

いよいよラストを迎える第三部。
それだけに凄まじい展開を繰り広げ、一体どこで区切りをつけて
本を閉じればいいのか?と迷うほど先が気になって仕方がない。

ロンドンにやって来たアイアマンガー一族の行方はもちろん、
クロッドとルーシーの再会はどのような形で果たされるのか?
どんどん膨れ上がって行く内容をどうやって収束させるのだろうか?
なにからなにまで気になる出来事をまき散らし、読者の心を終始離さない
巧みな展開には「まったくもう!」なんです(笑)

さて、話は少しだけ物語から離れるますが、もう少し感じたことを。

東京の江東区にある「夢の島」という人工島ををご存知でしょうか?
東京都民のゴミはこの地に集められ処分場として使われ、
ゴミの急増に伴い埋め立てを行った。

子供ながらにものすごい恐怖心を覚えた記憶がある。

このままま止まることなくゴミが増え続けてしまったら海はなくなるのだろうか?
第一、ゴミで埋め立てるって、海にゴミが浮いて酷いことになるのではないか?
自分たちの居住スペースもどんどんゴミが押し寄せてくるのではないだろうか?

このシリーズの最後に来てわたしはあの時感じたゴミの持つ底知れぬ
不気味な恐怖が再び戻ってきたかのような心地でずっといた。

島国である日本と英国。大都会で人口も多い東京とロンドン。
どちらの国も排出されるゴミに対しての国土面積は小さい。
それだけに膨れ上がるゴミに対してのリアルな想像が働いてしまう。

そしてもうひとつ。人間の物に対しての扱いについてだ。
「ものを大事にする」ことを子供たちに教えている一方、
人の新しいものへの興味は尽きず、壊れる前に新しいものを
買ってしまったり、捨ててしまったりを繰り返している。
まだ使えるのに「もの」は放られ、行方を失う。

本書では人がどんどん物になっていく恐怖を味わう。
居場所を失い、唯一の居場所を求めるために彷徨い続ける人々の哀れさも味わう。

これはもしかしたら、著者の心の中にある物への想い(愛着)や
現代人の物に対する扱いへの警告をこのような壮大な物語に託したのではないか。
そんな風にも感じ取れた。

物語は終始ハラハラドキドキの連続だし、登場人物も半端なく多いから
読んでいた時はその世界に追いつこうと必死だったけれども、
最後に自分なりに見えて来たことは結構シンプルなものだった。

さて、この喧騒から抜け出す日がやって来た。
長旅だったけれども、やっと穏やかな生活が戻って来たような気分でいる。
そして、暗く怖い表情のアイアマガーの人々ともお別れです。

 

 

 

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