死の島:小池真理子著のレビューです。
◆尊厳死とは?
もう一度この本を読めるかと問われたら、答えはNOかな・・・と
感じるほどやはり重い一冊だった。
末期がんの男性の最期をどう迎えるかという内容。
元来、病気ものを読むのが苦手な私は、チラッとあらすじを読んだ時
ものすごく迷ったのですが、小池さんの小説を逃すのは忍びなく
思い切って読んでみた。
病気の壮絶なシーンはさほどなかったけれども、
やはり死が近づいてくる怖さは否めない。
肉体的にも精神的にも自分の死を受け止めて残りの時間をいかに過ごすか。
主人公の男は元編集者、69才。家族もないという状況で病気を背負うことになった。
彼は退職後にカルチャーセンターで小説執筆の講座を担当していたが、
その仕事も打ち切って静養生活へと移るわけだが、教え子である若い女性が
男を慕い距離を縮める。
スタバでお茶をしたりしていたが、だんだん病状が悪化してくると
彼女は買い物や食事の介助するようになる。
二人の間も恋愛ともいえるような感情も芽生え始めるわけだが
それも束の間。彼は別荘に一人で最期の時を迎えようと彼女から
離れてしまう。
病院での死を選ばなかった彼の最期の形は、ん~ちょっとリアリティの面を
考えるとどうなのかな?って正直感じてしまった。
尊厳死とは?━私自身、このことについて不勉強というのもあって、
この小説のラストはちょっとしたしこりが残った感じがある。
ラストはともあれ、死が近づいてくる中、恋愛のような恋心を持てる
瞬間があったという人生はちょっといいなと思った。
表題の「死の島」、主人公の昔の恋人の遺品として登場した絵画。
読後にネット検索してみた。なるほど・・・この小説同様、なんとも言い難い
ゾクゾクする陰鬱さがあるのだけれども、目が離せないような雰囲気があった。
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